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福島第一原発の汚染水問題 「被災地の努力の尊重を」──福島大・東京大フォーラム(THE PAGE)

(公開: 2018年12月25日)




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出典元: フォーラムで報告する関谷直也・東京大学総合防災情報研究センター准教授=東京都文京区で12月13日午後(撮影:飯田和樹)

東京電力福島第一原子力発電所で発生し続ける汚染水。処理をしても多種類の放射性物質を取り除く浄化装置(ALPS)による処理を行っても、放射性物質のトリチウムを取り除くことはできない。このトリチウムを含む汚染水は、原発敷地内のタンクで保管されているが、タンクの数は既に900基に到達し、用地が足りなくなりつつあることが問題となっている。

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 経済産業省で、こうした汚染水の処理方法について地中への注入、海、大気などへの放出などが検討されてきたが、費用や期間の面などから有力視されているのが薄めて海に流す「海洋放出」だ。しかし、この方法は、これまで福島県の漁業関係者が地道な努力を続けることで消費者の不安を取り除き、徐々に流通経路を回復させてきた流れをストップさせ、風評被害に特に苦しんだ震災後間もない時期に時計の針を戻してしまう懸念がある。

 汚染水の問題に絡んで福島の漁業や農業がこのような問題に直面していることを知ってもらおうと、東京大学と福島大学はこのほど、都内で「原子力災害復興連携フォーラム」を開いた。フォーラム企画者の一人、関谷直也・東京大学総合防災情報研究センター准教授は「今、福島がどのような状況にあるのか。そして、この7年間、どのような努力で農業や漁業を復興させてきたのか。処理方法の問題を議論する前に、前提としてこれらのことを改めて分かってもらう必要があると考えた」と開催の目的を語る。