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文化庁「スクショは違法」 本当に悪質な著作権侵害の問題を解決できるの?(THE PAGE)

(公開: 2019年02月21日)

[ 元の記事 ]
出典元: 写真:アフロ

ネットを閲覧してスクリーンショット(スクショ)を撮ったり、コピー&ペースト(コピペ)をすることが違法になるという、にわかには信じがたい方針が文化庁から示されています。法制化が決まったわけではなく、あくまで方針を示しただけですが、一部の識者からは行き過ぎであるとの声が出ています。

 文化庁の審議会は2月13日、権利者の許可なくネット上にあるコンテンツを、著作権を侵害していると知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする方針を了承しました。

 これまでもネット上のコンテンツを許可なくダウンロードすることは違法でしたが、対象となるコンテンツは映像と音楽に限定されています。しかし、漫画の海賊版のサイトによる被害が深刻になっていることから、あらゆるコンテンツのダウンロードを違法とする方向性で議論が進められており、今回の決定はこの流れをよりはっきりさせる結果となりました。

 しかしながら、今回、示された方針には驚くべき内容が含まれています。ネットを閲覧した結果をスクショとして保存したり、ブログに掲載されている歌の歌詞をコピペすることなども対象に含まれています。著作権を侵害していると知っていた場合に限って違法ということになりますが、本人しか知り得ないことを第三者が認定するのはほぼ不可能であり、違法性を認識していたと指摘された場合、これを覆すのはかなり難しいというのが現実でしょう。

 レポート作成のために、スクショを撮っても場合によっては犯罪者になってしまう可能性がありますから、こうした法律が広範囲に執行された場合には、大きな混乱が予想されます。識者の一部からはこれを危惧する声が上がっています。

 脳科学者の茂木健一郎氏は、文化庁の方針に対して「そもそもフェアユースは違法ではないとはっきり示すべき」と異議を唱えています。

 フェアユースというのは、米国や英国などで用いられている概念で、報道や解説、調査研究など、社会的に意味があり、かつ公正な利用の仕方であれば、著作権の侵害は問わないというものです。しかしフェアユースというのは、高度な概念であり、残念ながら日本の法体系にはこうした概念は盛り込まれていません。

 一連の法律の趣旨は漫画の海賊版に代表される悪質な著作権侵害を取り締まるためのものであり、本来であれば、こうした犯罪行為を行っている人をどう取り締まるのかが主要なテーマのはずです。一般人のスクショやコピペを違法にしたところで、根本的な解決にならないのは明らかであり、むしろ本末転倒になっている印象は否めません。

(The Capital Tribune Japan)